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社長コラム

柿の木

2014年9月 1日掲載

 あと数日で手紙の書き出しが暑中から残暑に替わる夏のある朝、この原稿を書き始めました。この日は5時起きしたにもかかわらず、気温は30度を下りませんでした。9月のコラムを書くにはもう少し涼しい朝が来るのを待ちたかったのですが、締切りを数日過ぎていたので、既に贅沢を言う資格を失っていました。風を通すためにリビング東側の窓を開けたとき、緑の葉がまぶしい柿の木が目に入ってきました。昨年は不作でしたが、今年は数えきれないほどの実をつけています。
 柿の木で思い出すことがあります。・・・私が生まれた家は利根川の西岸から200メートル離れた河岸段丘の一番上にありました。大昔はもっと近くに流れがあったその名残なのか、段丘の崖からは水が湧き、斜面にはサワガニ、湧水が溜まって出来た池にはフナが泳いでいました。(あの池にはフナがいる。)噂が広がったのでしょうか、よく釣竿を持った人がやってきました。しかし、その人が二度目に現れることはあまりなかったように記憶しています。それには訳があったのでした。『そこにいるのは俺が放したフナだから、勝手に釣ってもらっちゃ困るよ。』お菓子職人で、自宅に作業場があった私の父親は、仕事の息抜きに散歩がてら池の近くを通りがかったとき、そこに釣り人をみかけると、ニヤリと笑ってそう言い放ったのでした。浅草で13年修行をしてきただけに、その言いっぷりは歯切れと威勢がよく、大抵の人は『あ、そうですか!』と、少しあわててそこを引き上げていったのです。しかし、本当に彼が放したフナだったのか、いたずら好きが高じて、面白がってついたウソだという疑いを、今の私は持っているのです。
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 それはさておき・・・。その崖の上には約20メートル四方の平らな土地があり、そこには大きな柿の木が5本程立っていました。木に登って飛び降りて、段ボールのソリで崖を滑り下り、秋には柿を失敬して地主のおじさんに怒鳴られたりと、私を含めた近所の子供たちにとってはスリル満点の遊び場でした。・・・40数年たったいまは、柿の木は切られてアパートが建ち、池も埋められ、そこで遊ぶ子供たちの姿も見えなくなりました。往年の柿泥棒はというと・・・。わが家の柿が色づくのを窓からながめて楽しんでいるおじさんになりました。

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