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社長コラム

アカシアの花が咲く時期

2015年5月 1日掲載

 『そうかい、シゲちゃんは、もう4年になるかい、お中日にはお墓参りに行くからね。』
 彼岸の入りの日、こう言ってお茶を出してくれた伯母は、私の母親のすぐ上の姉です。渋川市半田に住んでいることから、わが家での呼び名は、夫である伯父の章一と共に『半田のおじちゃんと、おばちゃん』で、その家は『半田んち』と名付けられました。4歳年上の伯母は妹のシゲ子を『シゲちゃん』と呼び、私の母は姉の政子を『マーちゃん』と呼んでいました。
 その日、私が持って行った『しゃくし菜』の漬物をつまみながら、話は昭和38年の5月にさかのぼりました。
 ...そのころ、浅草帰りのお菓子職人の宗三郎と結婚して、一年余りが経つシゲちゃんのお腹は大きくなっていました。4月20日が予定日だったその子は、なかなか生まれて来てくれず、出産方法はやむなく帝王切開と決まり、彼女は産婦人科の病院へ入院したのです。しかし、商売を立ち上げて、お客がつき始めたばかりの『ヨシザワ製菓』は休むわけにはいきません。夫の宗さんは、仕事を続けました。朝からお菓子をつくり、配達の合間に病院を見舞って、帰ってきてまたお菓子を作るという毎日が始まりました。そんな時、二人を助けてくれたのが『半田のおじちゃん、おばちゃん』だったのです。昼間はおばちゃんが妊婦に付き添い、夜はおじちゃんにバトンタッチすることになったそうでしたが、『おい、どうして俺が産婦人科に泊まらなきゃあ、ならねぇんだ。』と、おじちゃんが嘆いたことは、その後の
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姉妹にとって、十八番(おはこ)の笑い話に発展しました。難産を極めた末、予定日から3週間遅れて産まれてきたのが52年前の私で、このときの母の回想話はこうです。『アカシアの花が咲く時期になると、思い出すんだよ。みんなは、アタシがまいっちゃうんじゃないかって思ったみたいだねぇ。お前がどうしても出てこないもんだからさ。だから、手術が成功したときには、あのお父さんが男泣きしたそうだよ...。』
 ...春分の日、わが家のお墓には、妹が好きだったキリンの缶ビールが、姉の手によって供えられていました。

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