HOME »  社長コラム » 『父の両手』

社長コラム

『父の両手』

2016年7月 1日掲載

『ほら、いいかい、よぉーく狙って、それっ!』 
 ディズニー映画『ベイマックス』を連想させる風貌(ふうぼう)の父親が、背中越しに息子の手をとり、スティックを振り抜いた。快音を残し、ボールは真っ青な芝生の上を勢いよく転がって行った。
「ナイスショーット!」
 同伴競技者の一人から、大きな声が掛かった。4歳の男の子は、ベイマックスの方に振り向き、飛び上がって喜んだ。明るい日差しと新緑に囲まれた、長野県菅平高原マレットゴルフ場でのワンシーンだ。この日は、上田市のリフォーム会社、マキノさんのマレットゴルフ大会が開催され、私もわが家の実力者を伴い、参加していた。ちなみに、大きな声を上げた同伴競技者とは、ご想像の通り、私である。さて・・・。背中越しに息子の手をとる父親の姿に、私も思い出す光景があった。
 ・・・時は49年前。私の実家は利根川の西岸200m、その河岸段丘の上に位置していた。大昔はそこに水が流れていた名残だろうか、その崖下には湧水が溜まって出来た池があった。そして、その池には、フナが泳いでいたのを思い出す。このフナは私の父親、宗三郎がここに放したものだと、本人は言っていた。お菓子職人だった彼は、仕事の息抜きだったのか、ときおり、この池に来て、糸を垂れていた。小さい時から父親っ子だった私は、彼が出掛けるところにはいつもついていった。私が思い出した景色は、(池の水面にオレンジ色のウキが静かに浮かび、視線を手前に移すと、私が持つ竿の手元には、父親の両手が添えられている。)というものだった。
cl88.gif
『いいかい、あのウキを、よぉーく見てるんだよ。』
『ウキがピクンと沈んだら、竿を上げるんだよ、いいね。』
 耳元から聞こえる声に、私は頷いた。その瞬間も、彼の手は添えられていて、フナは鱗(うろこ)を光らせ水面から躍り出た。私にとって、一番古い記憶のひとつである。
 ・・・人間の記憶は4歳頃から始まるというが、男の子が大きくなったとき、あのナイスショットのシーンを憶えているだろうか。出来る事なら来年もまた、菅平高原で、5歳になった彼に会いたいと思った。

このページの先頭へ


リフォームサービスエリア

群馬県中毛地区

前橋市、伊勢崎市、玉村町

群馬県西毛地区

高崎市、安中市、藤岡市、富岡市

群馬県北毛地区

渋川市、吉岡町、榛東村

群馬県東毛地区

太田市、桐生市、みどり市、大泉町