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社長コラム

『ミョウガと新横綱』

2017年5月 1日掲載

『子供の頃は誰でも、ピーマンやミョウガは、嫌いなのが普通だそうですよ。』
 こう言ったのは、地元上泉町・玉泉寺の住職。
 彼はこのコラムにも登場したことがあり、ダイキョーのイベントではお馴染みになった『こども楽校』の創始者でもある。私よりも干支で言うと、ひと回り以上年下だが、その知識の豊富さは魅力的だ。一度、彼とゆっくり話をしたくて、食事に誘った夜のことだった。
『子供がニガイものや、クセのあるものが嫌いなのは、味に敏感という事の表れであって、大人になってそれが食べられるようになるのは、味に鈍感になった証拠だと言う人もいるようですよ。』
「えーっ、私は今、食べられないものが思い浮かびませんよ!」
『・・・。』
 住職は箸を止め、私を見た。
 ・・・話は変わって。この日は、大相撲春場所の千秋楽。あの新横綱・稀勢の里が、負傷しながらも、奇跡の逆転優勝を遂げた日だった。ある理由から、あまり好きな力士ではなかったが、この日を境に、いっぺんにファンになってしまった。ある理由とは、この新横綱が往年の大横綱・北の湖に似ていることだった。子供の頃、私は北の湖が嫌いだった。それは、私が大好きだった初代貴ノ花が、北の湖にはまったく歯が立たなかったからである。貴ノ花を難なく土俵の外に運び出したあと、『どうだ!』と言わんばかりに胸を張って相手をにらむ、あの態度が憎らしかった。それに輪をかけて悔しかったのが、『あのふてぶてしさがいい!』などと、子供の私には理解不能な嗜好を、私の父親が持っていたことだった。
 ・・・あれから40年。優勝決定戦で、相手を投げ飛ばした時の稀勢の里は、まさに、北の湖そのものだった。だが、今はファンになり、出来る事ならこの先、憎らしいほどに強い横綱になってほしいと願うのだから、私自身、不思議に思う。
 ・・・『そう、ですか。』
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 住職は苦笑いしながら、答えた。まだ、ミョウガがダメだという。一緒に食事をしてわかったが、彼は鋭敏な舌と鼻の持主だった。
「あと、干支がひと回りして50歳を超えれば、私のようにミョウガも好物になりますよ。」
 デザートのイチゴを食べながら私は、心の中で13歳年下の住職にメッセージを送ったのだった。

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