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社長コラム

『ハンター・宗さんの思いで』

2017年6月 1日掲載

 ゴールデンウィークを間近に控えたある日の早朝。新聞を取りに外に出るとスズメ達が、右に左に、元気よく飛び交っている。そのさえずりに混じった、なつかしい呼び声に、不意に昔のことが思い出された。
 ......ここは赤城山南麓。お揃いのハンチング姿で、初夏の雑木林を歩く父親と息子の姿を見ることが出来る。
『ほらカズオ、あの鳴き声が分かるかい、ちょっと来い、ちょっと来いって呼んでるみたいだろ。』
「......ああ、ホントだ。」
 ワラビ採りに出かけていた親子は、宗三郎38歳、和男7歳。47年前のことである。
『コジッケイって鳥で、肉が美味いんだ、冬に焼いて食べたのを憶えてるだろ。』
 辞書を引くと、正式名は(コジュケイ)だが、彼はそう呼んでいた。
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「あーっ、また食べたい、お父さん、獲ってきてよ。」
 和男少年、ワラビのことはもう、忘れている。
『今はダメだなぁ、禁猟期間だからな。』
「キンリョウキカン?」
『猟をしちゃいけない時期ってことだ。』
 当時の宗三郎は、散弾銃を所持しており、毎年11月15日から翌年の2月15日までの3か月間、週末になると狩猟仲間と山へ出かけるのが楽しみだった。彼のことを仲間たちは、宗さんと呼んでいた。猟犬も飼っていて、名前はラッキー、犬種はセッターだった。キジ、ヤマドリがお目当ての獲物で、わが家にもそれらの剥製(ハクセイ)がいくつか飾られていた。お目当てに出くわさなかったときに標的にされるのがコジュケイだったようだが、この鳥は小型で、かわいらしい姿をしている。それを撃つのは、ちょっとかわいそうな気もするが、宗さんも、手ぶらでは、息子に対して恰好がつかなかったのだろうか。とはいえ、肉はキジよりも美味かったことを憶えている。
 ......『ちょっと来い、ちょっと来い、ちょっと来い......。』ポストから取り出した新聞を手に、しばらくその呼び声に聞き入っていた。家に戻り、いつものように、コップの水と炊き立てのご飯を仏壇に供え、線香を立てる。
「おとうちゃん、今朝、コジッケイの鳴き声を聞いたよ。」
 往年のハンター・宗さんに報告をしながら、位牌に手を合わせた。

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