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社長コラム

『友人、T氏』

2017年11月 1日掲載

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 『その週末に、うちのかみさんを呼ぼうと思っているんですがセンパイ、彼女を連れて来てもらえませんか?』8月最後の土曜日。ある宴席でビールの瓶を傾けながら私に声を掛けたのは、友人のT氏だった。彼は私より5歳年下である。『T氏は奥さんと別居でもしているのか?』と、誤解されそうな冒頭の発言だが、そうではない。彼は仕事のため、半月後に1週間の出張と、そこに夫人を招くことを計画していたのだ。「そりゃいいね、引き受けた!ところで、うちのかみさんも連れて行っていいかな。」『ああ、それがいいですよ、是非、是非!』と彼は快諾した。・・・しかし。『まったく、すぐ真に受けちゃって。今になって、あちらは困っているんじゃないの。』帰宅して、うれしそうに話す私に対して、わが家の実力者は冷静だった。T氏にしてみれば、酒のついでの冗談ばなしで、(うそ!ホントに来ちゃうの?)と思っているはずだというのだ。ほんの遊びで垂らした釣糸に、ダボハゼの如く食いつく私の姿が頭に浮かんだ。家での小言に、不安な気持ちを抱いていた私だったが、数日後T氏からメールが届いた。
 ・・・その日、3人はメールに添付されていた行程表の通り、車→新幹線→タクシー→船を乗り継いで目的地へ向かった。程良く時間の余裕があり、それでいて無駄のないスケジュールは、「さすが、仕事のできるオトコのマネジメントは違う!」と、私を唸らせた。港の船着き場では、白いシャツとハーフパンツ姿のT氏が、爽やかな笑顔で出迎えてくれた。そこは本州から80キロメートル離れた佐渡島だった。島での滞在時間は24時間と短かったが、彼の心が行き届いたもてなしに、私たち夫婦はすっかり世話になり、また、心から楽しませてもらった。「ねぇ、Tさん、俺がここへ来るってこと、ホントはちょっと面倒くさいなぁって思わなかった?」(すぐ、そういういたずらな質問をするんだから!)と、わが家の実力者は、となりの席から私を目で咎めた。『そんなこと思うわけないじゃないですか。二人で楽しみにしていたんだよね、Yちゃん。』T氏は、助手席の夫人にやさしく話しかけながら、バックミラー越しに私を見て、ニヤリと笑った。彼が運転する白いアウディは、帰りの船が待つ港へと、秋晴れの青空の下を軽やかに走り抜けて行った。

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