HOME »  社長コラム » 『先輩S氏。』

社長コラム

『先輩S氏。』

2019年4月 1日掲載

 2月の第4土曜日は春の到来を予感させる、暖かでよく晴れた日だった。この日、地元富士見町のご近所S氏の葬儀が執り行われた。
 尊敬する先輩は、まだまだ若い80歳だった。S家とのつきあいは、私がここへ引っ越して以来、25年以上が経つ。私が商売を始めてからは、いろいろと気に掛けてくれ、自宅などは、ほとんど隅々までリフォームさせてもらった。また、私の母親も生前、夫妻には仲良くしてもらい、彼女は私によくこう言ったものだ。
 『カズオ、お前も精進して、Sさんみたいな立派な人になっておくれよ。そうしたら、アタシはうれしいよ。』
 S氏は現役時代、国内外の原子力発電所の所長などを勤めるエリートで、英語、フランス語など数ヶ国語を操るスーパーマンであることは噂に聞いていた。しかし、当の本人は少しも偉ぶることなく、人に会えば下ネタの連発で周囲を笑わせる苦労人だった。引退後は毎朝、地域のゴミステーションに出向き、無造作に捨てられた袋の整理や、分別のやり直しを進んでやっていた。ごみ出しに行くと、『はい、毎度ありぃ!』などと言って、私の手からごみ袋をサッと取り上げ、ニヤリと笑って『ヨシザワくん、今朝も○○かい?』と、やり始める。年齢がふた回りも上の彼に、いつも朝から圧倒されていたことを思い出す。
 私の母親が本人から聞いたところによると、彼は苦学して大学に進んだらしい。就職してからは仕事に全力投球、地元にはいられなかったため、引退後は自分を育ててくれた町への恩返しのつもりで、あの作業をやっていたのだという。彼女がその人柄に惚れ込むのも無理はない。
 療養中は我慢していた大好きな酒だったが、あちらに行ったら早速仲間を集めて、得意の芸を披露しながら、春の酒宴を開くのではないか。その中には、腹を抱えて笑い転げる私の母親もいるような気がする。
 葬儀場を出た私は青空を見上げ、天国で活躍するS氏の姿を想った。

このページの先頭へ


リフォームサービスエリア

群馬県中毛地区

前橋市、伊勢崎市、玉村町

群馬県西毛地区

高崎市、安中市、藤岡市、富岡市

群馬県北毛地区

渋川市、吉岡町、榛東村

群馬県東毛地区

太田市、桐生市、みどり市、大泉町