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社長コラム

2023/06/01 その他

『ある日の仕事と、ヨシザワ家の常備食』

 4月第三水曜日は、最高気温が26度に達する夏日であったが、夜の8時には20度近くまで下がっていた。

 「まず、軽く腹ごしらえをしてからだな。」

 社長室のソファーに腰掛けた私は、左手に魚肉ソーセージ、右手にミニサイズのマヨネーズを持ちながら、つぶやいた。

 この組み合わせは、私が子供の頃から続いている「ヨシザワ家の常備食」である。

 それはさておき。

 夜の8時になって尚、仕事が残っていたのには訳があった。

 ・・・この前夜、仕事仲間の会合に出席した私は、そこでの酒が少々過ごし気味で、回復に午前中いっぱいを要してしまった。

 そのため、この日最初の仕事を済ませただけで、時計の針は既に午後3時を回っていた。

 「さてと。」

 社長室に陣取り、二つ目の仕事に取り掛かる。

 腰を据えてのデスクワークである。

 月末が近づくにつれて、私が書くお礼状の枚数も増えてくる。

 私のデスクには、30部くらいはあろうか、クリアファイルに入ったお礼状がずっしりと積まれていた。

 全部仕上げるには、ざっと3時間は掛かる量である。

 「さあ、やるぞ!」と、私は一心不乱にペンを走らせた。

 そして、すべて書き上がったと同時に、マナーモードにしてあったスマホがブルルと震えた。

 時計に目をやると、夜の6時だった。

 電話の画面には、『お知らせ時間になりました』と表示されている。

 「あっ、そうだった。」

 数年前から私の予定はすべてスマホのカレンダーに書き込み、予定を入れる際は、その1時間前にアラームが鳴るように習慣づけている。

 夜7時から始まる会議があったのだ。

 会場は私の地元富士見町で、事務所から車で30分の場所だった。

 「仕方ない、最後の仕事はそれからだ。」

 そして、会議から戻ってくると、冒頭の時刻になっていたのである。

 『ヨシザワ家の常備食』を腹に収めた私は元気を取り戻し、この原稿に取り掛かった。

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