4月第3金曜日の夕方。
前橋市M整形外科の待合室に、少し顔をしかめた私の姿を見ることが出来る。
5日前の日曜日。
私は、渋川市にあるゴルフ倶楽部が主催するシニア選手権大会に出場していた。
前週の予選を運よく通過した私は、雨と霧を理由に決勝ラウンドを棄権するプレーヤーが増える中、粘り強くプレーした。
その結果、決勝ラウンドにおいて、8位になることが出来た。
決勝進出者16名の内、何人が棄権したかは、今は触れずにおこうと思う。
プレー後。
一緒に決勝に進んだ友人のT氏と共に、『祝勝会』と称してグラスを交わした。
場所は、2人の共通の友人であるH氏が営む『バーベキューガーデン白水』のカウンターである。
T氏もH氏も、以前、このコラムに登場してもらっている。
その宴(うたげ)は、『軽くやりましょう!』と提案したT氏の言葉通り、18時過ぎには、お開きになっていた
19時前に家に帰った私は、リビングのソファーに身体をうずめると、そのまま眠ってしまった。
飲酒した後は入浴しないことにしている私だが、飲み終わった時間が早かったのと、3時間ほど睡眠を摂ったことで油断が生まれた。
しかし、眠いことに変わりはなかったのである。
私は、浴室の洗い場の椅子に腰かけると、再び寝落ちしてしまった。
ガタンという音と共に椅子から転げ落ちた時にはもう遅く、私の脇腹は硬い浴槽の縁と衝突していた。
その時はそれ程ではなかったが、3日を過ぎたあとから痛みが酷くなり、M先生を訪ねたのである。
『1本、折れてますね。』「折れてますか?」『ええ。』
肋骨のレントゲンの画像を見ながら、先生と私が短い会話を交わした。
『痛みが無くなるまでに1カ月くらい必要でしょうかねぇ。』
「何か気を付けることはありますか?」
『特に無いんですよねぇ。』と言って、痛み止めと湿布薬を2週間分渡された。
黙っていようと思ったが、決勝ラウンドで棄権したメンバーは8名で、怪我をした3日後に早くもラウンドしていたことを報告して、この話を終わりにする。