10月第4月曜日の夕方。
出張先の札幌から戻った私は、工事用足場に覆われているわが家を目にした。
今年で築32年の建物である。
営んでいる商売が住宅リフォームであるから、自宅には定期的に手を入れ、トイレ、お風呂、キッチンは新しくなり、給湯器は3台目、外壁と屋根も2回塗り直している。
今回は、太陽光発電システムの工事をダイキョーに依頼した。
太陽光パネルを屋根に設置するためには、足場が必要である。
折しもわが家の外壁と屋根は最後の塗装から10年が経過していた。
『ちょうど足場も組むことですし、この機会に、外壁と屋根の塗装を検討されてはいかがでしょうか?』
わが家の営業担当の提案に、「それも、そうだねぇ。」と私はつい頷いてしまった。
営業担当のキムラさん、中々の薦め上手である。
それはさておき。
わが家の外壁色の歴史は、新築時がアッシュブルー、それ以降はイエローが20年続いている。
近所では、「黄色い家(うち)」として、浸透しているらしい。
そして、こんな話もあった。
わが家の北側には一枚の田んぼを隔てて県道が東西に走っている。
以前このコラムにも書いたことがあるが、『吉澤さんちは、私の家までの道案内に、とても便利なのよ。』と言ったN夫人がいる。
『信号を通り過ぎて200メートル走ったら右手に黄色い家が見えてくるから、そのまま真っすぐ進んで次の信号を左に曲がれば、そこが赤城県道よ!』
こんな風に説明していたらしいが、私が2度目の塗り直しを彼女に話す機会があった。
『ねぇ、今度は何色にするの?』
「黄色です。」
『ああ、良かった! 違う色になっちゃったら、私の家までの説明が難しくなっちゃうものね!』
母親が元気な頃から大変世話になっている彼女の言葉を受け、(あれ、10年後も同じ色にしなくちゃならないかな・・・。)と思ってしまった10年前の記憶がよみがえる。
11月の半ば。
「太陽光パネルが載った黄色い家」がお目見えする。