今年の冬至は12月22日にやって来た。
改めて言うまでもないが、1年で昼の時間が一番短い日である。
半年前の夏至には14時間35分あった昼の時間は、半年経った冬至には9時間45分に減っていた。
よく、『秋の夜長』などと言うことがあるが、そんなものは比較にならない。
それはさておき。
私の誕生月である5月から夏至にかけては、私にとって気分がいちばん盛り上がる季節であると、以前このコラムでも書いたことがある。
しかし、盛り上がりの頂点である夏至を過ぎてからは、減り続ける昼の時間に寂しさを感じる日々が始まる。
昼と夜の時間が同じになる秋分の日を通り過ぎ、その3か月後、寂しさのピークである冬至にたどり着く。
何事もそうであるが、登り切ったあとは、下りが待っているのである。
思えば、夜に押し込まれ続けた、長い時間であった。
しかし。
これからの半年間は、昼が攻勢に転じる。
一日当たり1分33秒。
一ヶ月にして45分以上、昼が長くなるのである。
年が明けて小正月頃の夕方。
『あれ、日がだいぶ伸びましたねぇ。』などという会話が交わされることが頭に浮かぶ。
冬至は私にとって、1年でいちばん寂しい日であることに違いはないが、「これからの楽しみ」という点では、1年でいちばん伸びしろを感じる日なのである。
・・・早い日暮れのあと、柚子を浮かべた湯船にゆっくり浸かり、1年で一番長い夜をスタートさせた。
風呂から上がり、キッチンへ向かうと、わが家の実力者が煮付ける唐茄子(カボチャ)の甘い匂いが廊下まで届いていた。